東日本大震災スタディツアー レポート
12月22日から24日までの3日間で、東日本大震災スタディツアーを実施しました。
ツアーには希望者21人が応募し、宮城県や岩手県を訪問しました。
1日目。バスで本校を出発し、17時頃、宮城県気仙沼市に到着しました。気仙沼市では最初に復興祈念公園に向かい、気仙沼の震災による被害者の名前が入った石碑を見学しながら、気仙沼について理解を深めていきました。気仙沼はハード面での復興はおおむね終わっており、湾岸には「ないわん」という商業施設もできあがっていました。そこで夕食を取り、初日は終了となりました。
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2日目。記録的な寒さ、そして雪の降る中、さらに北上し、岩手県陸前高田市に向かいました。
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奇跡の一本松で有名な陸前高田ですが、こちらでは道の駅高田松原に併設した、東日本大震災津波伝承館を訪問しました。実際の津波の規模や、地震発生から人々がどのような行動を取ったかなど、時系列に沿って出来事を整理することができました。その後、ガイドの方と共に施設周辺に遺された建物の跡などを見に行きました。この場所を襲った津波は最大14メートルで、目の届く限りの場所を水で埋め尽くしたそうです。
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午後は気仙沼に戻り、被害にあった気仙沼向洋高校の跡地、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館を訪れました。高校の荒れた教室の中には教科書や、器具も散乱しており、車体も侵入していました。また、津波が4階まで押し寄せてきたことも分かりました。高校生や職員は、屋上へ避難し、一人の犠牲者も出なかったということです。
その後、気仙沼の対岸に位置する大島の展望台に上り、気仙沼を一望しました。この場所は絶景が楽しめる人気の場所で、復興のシンボルとされています。展望台では被害にあった方や街の復興を祈り、再び市街地にもどりました。最後にリアスアーク美術館に向かい、気仙沼の文化や歴史についても学ぶことができました。
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3日目。気仙沼を100キロほど南下し、女川町に向かいました。女川町の中心地は商業施設ができ、町は復興していました。女川町は若い年代を中心に据え「新たな女川を作る」と復興に非常に力を入れてきた町です。町は景観を大切にした作りになっていました。大きな堤防を作った陸前高田。その一方で堤防を作らなかった女川町。復興の形は一つではなく、町の人々の思いによってできあがっていくいうことを感じました。
全体を通し、ガイドをしてくださったすべての皆さんが、非常に真剣にそして前向きに町のことを考えていらっしゃったのが最も印象的でした。参加者からも、その姿に背中を押されたという声も多く挙げられました。また、気仙沼をはじめ、町の方やガイドの皆さん、どの方もとても温かく迎え入れてくださり、こうした人の温かさもこの地域の大きな魅力だと感じました。
多くの犠牲者が出てしまった震災ですが、その一方で、普段から徹底的な避難訓練をしてきたおかげで、多くの方が迅速に命を守る行動をし、助かったことも事実です。どのようなことが起こり、どう対処すべきか…私たちはこれからも多くのことを教訓として学び、もし大きな地震が起こってしまったとき、多くの人を助けられる存在になっていけるよう活動を続けたいと思います。